2012年09月22日
というわけで、こちらの脳もかなりヒートアップしており、なかなか冷静に文章を書きにくい状態にあるのだが、とりあえず、どこを切ってもエンタメの“熱い(冷たい?)血”が流れ出る<フィルム・ノワール>というジャンルについて、ざっとコメントしてみよう。
フランス語で「暗黒映画」を意味する<フィルム・ノワール>には、くり返すが、誰が見ても理屈ぬきに楽しめる作品が多い。なのに、このジャンル名(作品自体ではなく)は、一般の映画ファンにはちょっと“近づきがたい”印象をあたえているようだ。
とするなら、<フィルム・ノワール(以下ノワール)>というカタカナ・ジャンル名が、その名のもとに分類されている魅惑的な作品群を観客から遠ざけているのでは、と思ったりもする。
ともあれ前述のように、ここではまず、あくまで<ノワール>を「思いきり楽しむ」ために、このジャンルの特徴をざっくりと箇条書きにしてみよう。
*1940年代~50年代にアメリカで撮られた暗いムードのモノクロ犯罪映画、すなわち、ジョン・ヒューストン『マルタの鷹』(1941)を嚆矢(こうし:第1作)とし、オーソン・ウェルズ『黒い罠』(1958)で終息したジャンル映画である(これは狭い意味でのノワールの定義であり、異論もある)。
*しばしば、自らの性的魅力によって男を破滅させるファム・ファタール/悪女/宿命の女が登場する。一説によれば、彼女らファム・ファタールは性的冷感症なのでセックスにおぼれて
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