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子どもを守るには「愛好家」を知る姿勢も必要――AKB写真騒動に寄せて

香月真理子(フリーランスライター)

香月真理子 フリーランスライター

 AKB48のメンバー河西智美さん(21)の写真集の一部が、児童買春・児童ポルノ禁止法違反に当たるのではないかとの疑いで、警視庁少年育成課が発行元の講談社に事情を聞いていたことが、1月17日に明らかとなった。

 写真は、上半身裸の河西さんの背後から男児が手を回し、河西さんの胸を隠しているというものだ。河西さんの肩越しに顔をのぞかせている外国人とおぼしき男の子は、まだあどけなく、見ようによっては小学生にも見える。

 この写真は、2月4日に発売が予定されていた『河西智美写真集』の表紙を飾るはずだった。同じ発行元の週刊漫画誌『ヤングマガジン』にも、写真集の告知として掲載される予定だったが、1月12日の発売日は延期され、内容を一部変更したものが21日に発売された。

 しかし、10日のスポーツ紙に掲載されたことと、販売停止の連絡が間に合わず一部の書店で売られてしまったことから、この写真はネット上にも拡散し、複数の人の目に触れる結果となった。

 当初、講談社は販売停止と内容変更の理由を「読者のみなさまに不快な念を抱かせると判断したため」としていたが、最大の問題はそこではない気がした。男児に与える影響を何よりも心配すべきだと思うのだが、その点には触れられていなかった。

 大人の都合で、年齢にふさわしくない性的な行為をさせられたという意味では、合法か違法かは別として、児童ポルノや性的虐待と同じだと思う。

児童ポルノ画像は、インターネットで簡単に見ることができてしまう

 福岡県内で性被害者の支援に取り組み、中高生を対象とした「性の逸脱行動防止」の授業なども行っている「NPO法人女性ヘルプネットワーク」の理事・野口真理子さんも、男児への影響を懸念している一人だ。

 「成長過程で性に関心がある時期に、わざと刺激を与えられるようなことを人前でしないといけない仕事なんて切なすぎます。しかも、この反響を武器にできるのは知名度の高い河西さんのほうで、そこでも少年は取り残されてしまう。決して二人が望んだポーズではないと思うので、撮影した大人たちは何を考えていたのか疑問に思います」

 しかも、これは本来、河西さんという成人女性を見たい人に売る写真集だったわけで、そこになぜ子どもを巻き込んだのか、意図がよくわからない。

 この写真を表紙にした写真集の出版は取りやめとなったようだが、こうして騒ぎになったことで「自分がやらされたことは、世間に出してはならないくらい、とんでもないことだったのか」と、男児がますます心を痛めていないか心配だ。

 一方で私は、この写真の男児に欲情してしまう人の存在にも思いを馳せた。

 私は2009年、『欲望のゆくえ――子どもを性の対象とする人たち』(朝日新聞出版)という本を出した。女の子を対象とする「ロリコン」、男の子を対象とする「ショタコン」と呼ばれる人たちが、どんな思いで子どもたちを見ているのかを取材したルポだ。

 それゆえ、この手の報道がなされると、すぐに彼らはどうしているのかが気になってしまう。今回の一件をどう思っているのか。テレビや映画などで活躍する子役の男の子を応援し、イベントや撮影会にも足を運ぶ、いわゆる「ショタコン」の成人男性Aさんに聞いた。

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