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 ドラマ「泣くな、はらちゃん」(日本テレビ系)が終わった。

 かまぼこ工場でさえない日々を送る越前さん(麻生久美子)が、日々の鬱憤をはらすかのように描く素人漫画の主人公が、はらちゃん(長瀬智也)。はらちゃんから見れば、作者の越前さんは、自分が生きる世界を形づくる「神様」ということになる。

 で最近、その漫画世界がどうもすっきりしないことから、神様のことを心配していたはらちゃんは、ひょんなことから現実世界に飛び出してしまう。

 漫画の中だけで生きていたので、漫画に出てくること以外は何も知らない。犬も猫も、働くことや、愛の意味も知らない。そんな純な存在が、少しずついろんなことを知って、越前さんのために奮闘、神様の気持ちも変えてゆく、というお話だ。

 長瀬は、「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」や「うぬぼれ刑事」に続き、またしても常識世界からちょっとずれた役を快演している。

 加えて、同じ枠で、前田敦子がロボット少女を演じた木皿泉作「Q10(キュート)」を連想した人も多いだろう。こちらも、異世界からやってきた純な存在が、主人公に自身を見つめ直させる存在として登場していた。

 さて、はらちゃんの最終回。

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筆者

大西若人

大西若人(おおにし・わかと) 朝日新聞編集委員(美術)

朝日新聞編集委員。1962年、京都生まれ。東京大学工学部都市工学科卒、同修士課程を中退し、1987年に朝日新聞社入社。東京本社、大阪本社、西部本社の文化部などで、主に美術や建築について取材・執筆。同部次長などを経て、2010年より現職。『大地の芸術祭――越後妻有アートトリエンナーレ2000』(現代企画室)、『リファイン建築へ――建たない時代の建築再利用術 青木茂の全仕事』(建築資料研究社)、『文藝別冊<永久保存版>荒木経惟』(河出書房新社)などに寄稿。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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