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 で、来年以降、AKBや総選挙がどうなっていくのか。今年の『色彩を持たない……』の書評などを見ていると不安が募る。というのも、どうも評判悪いじゃないですか『色彩を持たない……』。

 『1Q84』の頃はまだ、村上春樹はスゲエんだ、という空気が半分チョイはあったのに、今年は確実に5割切った感じ。大書店にしか配本されない、とかいう話だった『色彩を持たない……』が、きのう見かけた郊外のつまらない本屋で平積みしてある。うわ、なんかこれ、AKBみたい。ほら、AKBって、総選挙で盛り上がるっていう割に、メンバーが出てるドラマがコケるとか写真集が売れないとか、言われてるじゃないですか。

 ここは村上春樹論ではないので『色彩を持たない……』がいい本か悪い本かは問題にしない(第一、私はまだ読んでないので)。そうじゃなくて現象のことです。いずれ村上春樹も大々的に売り出されるのにどうも読者(というか購買者)の動きが鈍くなり……ということになっていくだろう。でも村上春樹は文学の人で、売れない文学など文学の王道で勲章みたいなもんで、もしノーベル賞もらえばまた盛り返すのは確実だし、もらえなくても一生分の金はためてるだろう。

 しかしAKBはそうはいかない。

 同じように、ドッと参入した「アイドルにも歌謡曲にもそれほど興味のない層」は、どうせ飽きるのも早いので、村上春樹の人気がなくなるのの比ではない落ちぶれ方をするに違いないと思うと胸が痛い。おまけにAKBは興行の世界の人たちなので、こうして総選挙がデカイものになってしまったら、これを縮小するのってえらいタイヘンだ。恐竜がでかくなりすぎて死滅した……という話を思い出して気分が重い。

 総選挙の発表および各メンバーのスピーチを見ていて私がつくづく思ったのは、

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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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