メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

建前論の「公平・中立報道」、法制度で禁止せよ!?――連続討議「ソーシャルメディア社会における情報流通と制度設計」から(8)

情報ネットワーク法学会

公平を装うプラットフォーマーを縛れるか

<生貝>メディアに透明性を求めるというのは方法論としてあり得ると思います。放送法の中にも番組基準というのがあり、放送局はどういうスタンスで放送するかを細かく書いて交付しなければならないのです。なので、政治的な報道に関しては、各メディアに細かいチェックシートを埋めて公表させるというのは一つの方法でしょう。しかしそれ以上に難しいのは、その要請をヤフーに適用するべきかどうか、個人メディアはどうするべきか、ということです。

参院選で各政党の「ネット第一声」が公開されたニコニコ動画の画面=2013年7月4日 拡大参院選で各政党の「ネット第一声」が公開されたニコニコ動画の画面=2013年7月4日
<藤代>ネットでは、動画サイトやまとめサイトなどはプラットフォームとして扱われていますが、非常に偏った展開をしているネットメディアもあります。ニコニコ動画は、前回の都知事選で夏野剛取締役が猪瀬直樹事務所から中継をしていました。これは猪瀬さんのチャンネルでしたが、見方を変えれば政治と報道の癒着だともいえる。

 ただ、そのような批判をすると「自分たちはプラットフォーマーだから」という反応を返されます。既存マスメディアに登場しなかった小沢一郎さんがニコニコ動画に出たときも「自由報道協会がやっていたことです」と言うわけですが、それをトップ画面やリリースで紹介するのは運営会社なわけで、バランスを欠いていると思います。

<伊藤>放送法との関係でいうと、放送は参入障壁が高いから厳しい規制がかかっているという面があります。それだけの権力をもって、電波を独占している事業者は厳しくしようという建て付けなので、そこを外すのであれば参入障壁も外すこととセットでなければ、意味がないと思います。

<亀松>ニコニコ動画についていえば、今回の選挙に関連した番組の一覧を見てもらえれば分かるように、非常に「テレビ的」に作っています。つまり、「公平性」を強く意識しています。

 選挙の公示日には各政党の第一声を流しましたが、そこで取り上げられたのは主要9政党です。テレビに出てくるような党をとりあげて、大体同じ時間の長さで流しています。公平でないと批判や規制を持ち込まれてしまうのではないか、と考えているわけです。投開票日前日の「最後の訴え」の番組では、政党ごとに番組を作って、好きなことを言っていいという風にしていました。これは一見公平に見えますが、生放送のトップページでは、自民党がいちばん上で、ほかの弱小政党は下に表示されていました。このように詰めが甘い部分もありましたが、全般的に公平に見せようという意識があったといえます。

<伊藤>テレビ的な作り方をしないと、政党側から「ネットには人を出さない」といわれてしまうんですよね。 ・・・ログインして読む
(残り:約5204文字/本文:約9325文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。