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食材偽装問題、虚栄心に支配された人は、たまには足元すくわれておくほうがいい

青木るえか エッセイスト

 食材偽装問題だけれど、この問題がイヤな感じなのは、

 「食材偽装許せない!」の派と、

 「食っても気づかなかったようなヤツがエラそうに怒ってんじゃねえ」の派のいがみ合いぽくなってることだ。

 どっちの派もイヤな感じ。でもどっちもどっち、とかいうのはもっとイヤなので、どっりがよりイヤかといえば、後者のほう。

 私自身はホテルに食事に行くことはなく、というのも、ホテルの食事は私には物足りないからで、それは味や素材のことではなく、量と盛りつけ。ある程度の味があれば、あとは量がたっぷり、貧乏くさくなく出してくれれば満足するんだ私は。

 でもホテルの料理って貧乏くさいんですもの。中華料理で顕著なんだが、白い大きめの皿にちまちまと前菜が盛りつけられたりしているのを見るだけで損した気になる。ニセ象牙の箸ばっかり重くて、皿の上のクラゲをつまむのも苦労する。あの盛りつけがもう、貧乏くさくてイヤ。

 ホテルの仏蘭西料理なんか入ったこともないが、丼にたっぷり盛られた牛肉のワイン煮、ということはないだろう。重いばかりの銀色のナイフフォークで、でかい皿に模様を描いたソースを、いったいどうやってなめたらええんじゃ、とモヤモヤするにちがいない。

 ホテルのバイキングってのは、朝食バイキングで食べることはある。あれは自分の好きなだけ食べられるから量としてはいいようなものだが、やっぱりいかん。汚らしい。とくに、デザートっぽいヨーグルトとかフルーツとかプチケーキが、大皿でべしゃっと置かれているのが、好物であるにもかかわらずまずそうに見える。まずそうに見せてあんまり食わせないという策略なのかと思うぐらいだ。

 というぐあいで、ホテルの食事なんて私は自分から食べにいこうと思わないので、メニューと違うエビを食べされられた客には ・・・ログインして読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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