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「アイドル戦国時代」の対照的なライブ――体育会的空気の「モーニング娘。」、適度にゆるいBerryz工房

鈴木京一 朝日新聞読書推進事務局長

 11月末、「モーニング娘。」の日本武道館コンサートがあった。メンバーの卒業が絡まない武道館公演は久しぶりのことだ。

 2000年代前半までは春秋のコンサートツアーの中で1回は武道館や横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナでのアリーナ公演があったものだが、ここ数年の「モーニング娘。」は、メンバーの卒業というイベントがなければアリーナクラスの公演はできなかった。シングル曲の3曲連続週間1位など、今年に入ってからの「V字回復」がもたらしたものといえる。

「ニッポン!コールプロジェクト」のアンバサダーを務めるモーニング娘。’14のメンバー 拡大ソチ五輪「ニッポン!コールプロジェクト」のアンバサダーを務めるモーニング娘。’14のメンバー
 ステージは鬼気迫るものだった。MCは少なめで、とにかく歌い踊り続ける。踊る表情は笑顔なのだが、「笑顔が貼り付いている」感があるのだ。

 最近のモー娘のダンスは「1曲やるだけで以前の1公演分の体力を使う」とメンバーに言わせるほど複雑極まりなくなっている。それだけでなく、公演の数日前に発表された紅白歌合戦の出場者には今年もモー娘の名はなかった。そのせいもあって切迫感が感じられたのだろう。

 この日だけではない。最近のモー娘メンバーへのインタビューを見ると「歴史を繋いでいかなきゃいけない使命感」「他のグループにいたら、成長できなかったかもしれない」なんて発言がある。複雑なダンスといい、AKB等との差別化を図ろうとしているように見受けられる。しかし以前から「女子校の部活」的な空気があったとはいえ、ここまでくると伝統校の野球部みたいだ。

 武道館公演の開演前、男子トイレよりも女子トイレの方が列が長かった。モー娘でこんなことはこれまでなかったと思う。こうした体育会的空気が女子ファンの人気を集めている。

 しかし、これってアイドルなのだろうか。アイドルの売れる売れないは、どんな楽曲を与えられるか、どんな売り出し方をされるか、といったスタッフの工夫や偶然によるところも大きいはずだ。アイドル本人たちにとっては「頑張る」しかやることがないから仕方ないのだが。

 もっとも、同じハロプロでも達観しているアイドルもいる。Berryz工房の「ももち」こと嗣永桃子だ。 ・・・ログインして読む
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筆者

鈴木京一

鈴木京一(すずき・きょういち) 朝日新聞読書推進事務局長

1963年生まれ。東京大学教養学部卒。1987年、朝日新聞社入社。東京と大阪の旧学芸部や文化グループで、主に論壇関係の取材記者や編集者をしてきた。2011年2月から読書編集長。現在、文化くらし報道部・読書推進事務局長。女性アイドルのライブ見物が20年来の趣味。好物は「ハロー!プロジェクト」。

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