メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

【2013年 テレビ ベスト5】 もっとも感銘を受けたのは、あの人の映像……

青木るえか エッセイスト

 今年のテレビで私がもっとも感銘を受けたのは、特定の番組じゃなくてあらゆるワイドショーやニュース番組で流れた、猪瀬東京都知事の映像である。もちろん、東京五輪関係のやつじゃなくて、徳洲会がらみのほう。

 「ちゃんと番組」で心に残ったものベスト5ということですが、ベストじゃなくてインプレッシブ5ということで、そのうちの1つは「猪瀬映像」でカンベンしてもらうとして(これは今度詳しく書きます)、残りの4つ。

★『あまちゃん』

 流行りに乗ってるみたいでイヤですが。『カーネーション』は誰が何と言おうが「好きじゃねえぞ!」と主張できる楽さがあったが、『あまちゃん』は、いろいろな部分がひっかかってきて「嫌いじゃー!」と言い切れないものがあり、そのへんが『カーネーション』よりもつらかった。なんだか言ってることがへんですね。

 薬師丸ひろ子が歌うのを古田新太がぼう然と見ている場面で、涙が出そうになったのは不覚であった。

★『歩く、歩く、歩く ~四国 遍路道~』
★『基町アパート』

 2つですが、まとめて1つみたいなものですね。

 NHKの地方局製作のドラマというのがあり、年に数回、ぽつりぽつりと放映されるのだが、どれもこれもすごく似ている。しかし、どれもこれも、偏差値でいえば65超の作品である。要するに、「いいドラマ」だ。手間をかけてつくってある。その地方を舞台とした、人と人とのふれ合いが描かれ、見る前から内容はわかる。わかるのだが、やってるとどうしても見てしまい、見終わる時にはホロリと泣かされる。

 しかし、『あまちゃん』でみんなが泣いた!とか言ってるけど、こちらの地方局製作単発ドラマでは「みんなが泣いた!」という話は聞かない。単発で見る人が少ないからなのか。

『歩く、歩く、歩く ~四国 遍路道~』の出演者。右から井上順さん、田中麗奈さん、いしだあゆみさん=NHK松山放送局 拡大『歩く、歩く、歩く ~四国 遍路道~』の出演者。右から井上順さん、田中麗奈さん、いしだあゆみさん=NHK松山放送局
 いや、たぶん違うな。『あまちゃん』なんかよりもずっとわかりづらい。私が今年の「最優秀助演男優賞」をあげたいのがこの『歩く、歩く、歩く』に出ていた、嘘つきお遍路さんの井上順なのですが、この井上順のたたずまいの泣けることといったら……って言っても微妙な芝居&脚本&演出&演技なので「何が泣けるんだ」と言われて終わりそう。

 過去のある女の役でいしだあゆみが出てくるが、そっちのほうが泣けたという人がいてたまげた。そっちか? まあ、いしだあゆみもいい味出していたので、それはいいとして、こういう単発ドラマを地方からぽつぽつと繰り出してくるので、やはりNHKは信頼したいと思うわけです。

★『半沢直樹』 ・・・ログインして読む
(残り:約842文字/本文:約1889文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

青木るえかの記事

もっと見る