メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

東出昌大くんは「ハンサムな夫」?――「ごちそうさん」、めんどくさいんじゃい!

矢部万紀子 コラムニスト

 「ごちそうさん」の希子ちゃんが可愛い。「希子」と書いて「のりこ」と読ませると、今ではすっかりクラシカルな「のりこ」という名前も新鮮に感じる。妊娠中の若いお母さん方も娘出産の折には、「心愛ちゃん」とかつけないで「希子ちゃん」にしてはどうだろうと、ココアの季節に勝手におすすめ。

 演じている高畑充希ちゃんという役者さんが可愛い。ホリプロの「ピーター・パン」出身だそうだが、歌声だけでなく、話し声もよい。劇中で「焼氷の歌」なるものを歌うのだが、歌い手として突然指名されたとき、効果音が「ポッポー」って入った。アーモンド形の目がまん丸になって、まさに「鳩が豆鉄砲を食った」ような表情。「マイ・ベストショット・オブ・ごちそううさん」。

 小学生の頃から何度読んだかわからない「若草物語」の、「はにかみや」の三女のベスのようなキャラクター。音楽好きも共通するし。とにかく超キュート。

 と、希子ちゃんの話ばかりで恐縮な「ごちそうさん」だが、高視聴率、おめでとうございます。「あまちゃん」で朝ドラを見る習慣のついた人々が増えたところに、「従来型」の朝ドラを求めている人が帰ってきた、という分析だろうか。

 キムラ緑子演じるところの小姑による、杏ちゃん演じる嫁いびり、というのが話題になったりしていたようだが、大阪放送局制作の朝ドラでは20年ほど前に橋田壽賀子先生による脚本で「おんなは度胸」というのがありまして、こっちに比べればぜんぜん甘いぞ、という感じで拝見していた次第。

 「おんなは度胸」は橋田先生だから当然、泉ピン子が主演でして、傾きかけた老舗旅館に東京から後妻として嫁いでいくのだが、そこで待ち受けるのが先妻の子の藤山直美。小さい頃からお嬢さんとして甘やかされて育った感じが、「寛美の娘」たる本人と重なって迫力が違うのだ。

 園佳也子演じる中居頭「良枝」がいうならば母親がわりという役どころなのだが、直美はピン子をいじめた後に、いつも横にいる園をちょっと見ながら、「なあ、良枝」と呼び捨てで同意を求めるところが最高で、私は以来、藤山直美を追いかけ、新橋演舞場など出入りしている。

 「ごちそうさん」でキムラ緑子演じる小姑は、心の傷のありかがまるわかりで、「理詰めのいびり」というようにドラマが進む。対して、直美演じる義理の娘の後妻いびりは理屈じゃないところがさすがなのだった。まあ、一方的に「嫁いびり」を描いても共感される時代ではないから、理屈で攻めるというのはわからないでもないけれど……。

 というわけで、「ごちそうさん」そのものにあまり好感をもっていない感じがまるわかりな文章展開で恐縮なのだが、いちばんの問題点を指摘するならば、杏ちゃんの夫を演じる東出昌大という役者が ・・・ログインして読む
(残り:約2138文字/本文:約3290文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。

矢部万紀子の記事

もっと見る