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【2013年 映画 ベスト5】 心が引き裂かれるような思いをした5本

古賀太 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

(1)『かぐや姫の物語』
(2)『ホーリー・モーターズ』
(3)『わたしはロランス』
(4)『凶悪』
(5)『ペコロスの母に会いに行く』
番外 「生誕110年 映画監督 清水宏」(国立近代美術館フィルムセンター)

 そのほかに迷ったのは、邦画で『舟を編む』『横道世之介』『立候補』『恋の渦』『さよなら渓谷』『地獄でなぜ悪い』『共喰い』『風立ちぬ』、洋画で『ザ・マスター』『グランド・マスター』『イノセント・ガーデン』『ペーパーボーイ 真夏の引力』『3人のアンヌ』『ハンナ・アーレント』『熱波』『愛、アムール』『君と歩く世界』『危険なメソッド』『オブリビオン』『ジャンゴ 繋がれざる者』『ゼロ・ダーク・サーティ』『テッド』(順不同)。

 今年は試写や映画祭を含めると、スクリーンで230本ほど見た。こんなに見たのは学生時代以来かもしれない。それゆえに5本を選ぶのは難しかったので、選外のリストも加えた。

 あえて新聞の「回顧2013」のように、「今年の傾向」などは考えなかった。読売新聞では作品、興行ともにアニメが席巻したとまとめられていた。確かに『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』や『モンスターズ・ユニバーシティ』のヒットに比べて、実写の興行は振るわなかった。朝日新聞では「“事件”は映画祭で起こった」として、『そして父になる』のカンヌ受賞や、『風立ちぬ』のベネチアでの宮崎駿監督の引退宣言などを挙げた。

 しかしそんな「今年の傾向」は、私には偶然をつないだだけにしか見えない。新聞特有の、「ためにする議論」と言ったらいいのか。私はあくまで個々の作品の衝撃の強さで選んだ。映画としての完成度や、芸術的な高さよりも、自分の心が引き裂かれるような思いをした5本。

 今年は、何と言っても『かぐや姫の物語』の年である。これについては ・・・ログインして読む
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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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