2013年12月31日
(1)オルゴーリオ・デル・カザルタ(北イタリア料理、広尾、2012年5月~)
(2)ベポカ(ペルー料理、原宿、2013年3月~)
(3)クニオミ ル・ネオ・ビストロ(フランス料理、恵比寿、2012年3月~)
(4)膳楽房(中華料理、飯田橋、2013年4月~)
(5)サンジャン・ピエドポー(バスク料理、渋谷、2013年2月~)
映画や美術と違いグルメは全くの素人だが、それでも社会人になって30年近く自腹で東京中を食べ回っている自信はある。そんな私が今回選んだ基準は、ここ最近できた店であること(今年のベスト5なので)、夜に料理だけで5000円までで食べられること、居心地のいいことくらい。それから、様々なジャンルの店になるよう配慮した。
結果としては、なぜか今年のミシュランガイドに載っていない店ばかりになった。今年は、『ミシュラン』が初めて星なしの店を「ビブグルマン」として157軒加えたので久々に買ってみたが、まさに玉石混淆でむしろ混乱は増した感じ。いずれにしても、高くて豪勢な高級店となぜ載ったかわからない店が混じっている。
「オルゴーリオ・デル・カザルタ」をあえて「北イタリア料理」としたのは、シチリアなどの南イタリア料理とはずいぶん違うから。シエナの名店の日本支店だが、店の雰囲気も料理もまさにトスカーナ。4~6人で行ったら、「フィレンツェ風骨つき炭火焼ビーフステーキ」がおススメ。野生味溢れる本物の肉の味が味わえる。前菜では、三元豚の首と鶏のキモをキャンティワインで漬け込んだという「パテ」が出色だった。それからやはりトスカーナらしく、「ピチ」という名の手打ちのもちもちのパスタも是非。
ここ2、3年前から北イタリア料理の名店が増えたので、選ぶのにずいぶん迷った。「オステリア アッサイ」(松濤)の冬の「白トリュフのリゾット半熟卵添え」は抜群だし、「ヴェーリ神楽坂」(神楽坂、「エノテカ・ラウラ」改め)の「ボリートミスト」(イタリア風おでん)も忘れがたい。
イタリア料理全般で言うなら、「リストランテ クロディーノ」(銀座)が一押し。5000円のコースの内容とお店の雰囲気やサービスの良さは信じがたい。あるいは「インカント」(広尾)は、豚足や豚耳のサラダなどメニューに並ぶ北から南までの個性的な単品にいつも驚く。どちらも押さえた照明の静かな雰囲気の店でデート向き。
世界的な流行を見せているペルー料理は、2012年にここで「ナスカ」(乃木坂)を選んだ。雰囲気が今一つというのがその店の欠点だったが、「ベポカ」はまさにそれが克服された感じのお洒落感溢れるレストラン。外見はペルーの素朴な一軒家のようで、中に入ると赤と黒のシャープな内装が広がる。
料理も品数が多く、日本料理に影響を受けたという「セビーチェ」だけで6種類もある。「カウサ」とか「ロモ」とか初めて食べる料理ばかりだが、店の人が親切に教えてくれる。ペルーワインも3000円代からあって良心的。東京にもっともっとペルー料理店ができて欲しい。
最近、創作フランス料理を気楽な内装と値段で食べさせる「ネオ・ビストロ」が増えたが、「クニオミ ル・ネオ・ビストロ」は店名が表すようにその代表格。私が行った時は
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