メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

佐村河内さんたちと小保方さんを一緒にするな

青木るえか エッセイスト

 困ったなあ、小保方さん問題。

 最初に小保方晴子さんがアヤシイんではないかと言われ始めた頃、さかんに「佐村河内に続いて科学の世界でもこんなインチキが!」みたいな言われ方をしていて、それ聞いて私は怒ったものです。

 「一緒にするな!」

 旧石器のゴッドハンド氏・森口尚史・佐村河内守の「捏造御三家(森口さんはまだ独自にiPS細胞をつくったと主張しておられるのでそこは保留としておくが)」に対しては「気持ちはわかる! 彼らの気持ちがわからない人とはわかり合えない!」と豪語する私なので、佐村河内さんと小保方さんを混同されるのはガマンならないのである。

 佐村河内さんと小保方さんはちがう。

 佐村河内さんは、別の人に作曲させてそれを録音してCDにして売り、金と名声を得た。曲そのものはあったわけだ。人を感動までさせてたわけだ。小保方さん問題を音楽に置き換えてみると、評判が高いからCD買ってきて、ケースあけてみたら中に手焼き煎餅が入ってた、というようなものだ。聴けないし。

 逆に、佐村河内さん問題をSTAP細胞がらみに置き換えてみると、「STAP細胞をつくった割烹着の可愛いリケジョだと思ってモテはやしてたのに、じつはハゲたおっさんがつくってた」というような話である。こうしてくらべてみれば一目瞭然で小保方問題のほうが悪質であるとわかる。だから一緒にしないでほしい。

 と、書きながら、旧石器捏造事件などを思い出してみるに、これは小保方問題とほぼ同じ構造ではないか。う、うーむ。ゴッドハンド氏の気持ちはわかる!と豪語する私、どうする。

 でもやっぱり一緒にされたくない。同じことやっててもどうしてもゴッドハンド氏と小保方さんではちがう。

 何がちがうのか。二人の社会的地位や、風采だ。

 これはけっこう重要ですよ。口を開かずともあふれ出てくるところの、たたずまい。

 小保方さんは「これで私の人生勝ったも同然!」という勝利宣言をよりキャッチーに、よりイヤミに、割烹着やムーミンで表現したもんで、買いましたねー反感を。全国各地で「カチンときた」音がカチンカチンと鳴り響きましたもん。

 カチン→なんだアレは、というネット住民に寄ってたかって弱味を暴かれてしまったわけだが、ゴッドハンド氏の場合はすごいと思われつつも、所詮は小さな趣味の世界(考古学なんてものは世間にとってそんなものです)のゴッドであり、「ポケモンシール全種類100枚ずつ持ってる!」とウソつく小学生みたいなものだ。

 じゃあ森口さんは、となると、彼はある意味、“本物”を感じさせるので、今後も研究に邁進されるだろうから、当然のこととして「これで人生勝った」なんて思っているはずもない。

 このように、捏造御三家と小保方さんでは大いにちがうのである。

 が。最近いろいろ困ってるんです。

 「小保方さん叩き」に。

 まあ、批判されるのは当然というか釈明せねばならないと思いますが、 ・・・ログインして読む
(残り:約1755文字/本文:約2993文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

青木るえかの記事

もっと見る