2014年07月10日
1位は先週末公開のディズニー新作『マレフィセント』、2位は日本のSF小説が原作の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『アナと雪の女王』は3位に後退した。しかし、動員は先々週とほぼ同じ水準を維持しており、未だその底力は衰えてはいない。
ウォルト・ディズニー・ジャパンによると、『アナと雪の女王』は40数カ国語に翻訳され、50カ国で配給されたという。世界各国で大ヒットを記録したが、日本での歴史的成功が大きな鍵となったことは間違いない。
『アナと雪の女王』は、アニメーション作品の世界興収歴代1位となった。しかし、全米興行に限れば歴代4位であり、『シュレック2』『ライオン・キング』『トイ・ストーリー3』のベスト3を下回っている。大ヒットには違いなかったのだが、歴史を塗り替えるほど支持されたわけではない。
一方、日本の興行収入は246億円を突破し、国内で公開された洋画の観客動員記録では1位となった。日本の興行が世界興行に占める割合は約19%。総計1267億円を数える世界興行収入総計のうち、本国アメリカの400億円と日本の246億円だけで5割を超える。これは驚異的な数値と言わねばなるまい。
『アナと雪の女王』は、実写映画を含む全ての映画の歴代世界興行収入ランキングで現在5位。日本興行が63億円以下で終われば、10位以内には入れなかった。また、日本興行が43億円以下であれば、『トイ・ストーリー3』の記録すら抜くことは出来なかった。「アニメーション歴代1位」の栄冠は日本興行の成果であった。
表1と2から明かなように、従来のディズニー/ピクサー作品の日本興行は、どれほど支持されても世界興収の10%前後、全米興収の3分の1程度であった。『アナと雪の女王』の数値だけが異常に突出している。
この表には、もう一つ異常な数値が確認出来る。『メリダとおそろしの森』(2012年)の日本興行の異常な低調である。アメリカでは大ヒットを記録したが、日本興行はピクサー作品で初めて10億円を下回る惨敗に終わった。公開前の配給会社の目算では50億円前後を見込んでいたという。
日本の観客の圧倒的支持を集めた『アナと雪の女王』と、圧倒的不支持に終わった『メリダとおそろしの森』。実はこの2作品には共通項が多い。
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