2014年12月01日
控除が低い賭博とは、当たり前の話だが打ち手の側に勝つチャンスが増大することを意味する。
ここを、PTA系の正義を叫ぶおっさん・おばはんたち、および「良識派」メディアは、よく理解しなければならない。
それはもしかすると、府中にある東京競馬場のトイレの壁に、「お馬で人生パー」と書き残して自殺する人たちの減少につながるかもしれない。
パチンコ関連で自殺する人たち(警察は統計をけっして公表しないが、膨大な数だろうと推測される)が、減るのである。
涙なしには語れないほど構造的に収奪され続けてきた日本の賭博愛好者たちは、必ずや喜び勇んで大量に膨大にカジノに流れるはずだ。
日本でカジノが公認されれば、おそらく粗利で年間4兆円産業の誕生である。
控えめにその半分と見積もっても、2兆円規模の新産業の登場であろう。
華やかな(と誤解されている)出版業界の経済規模が、雑誌も含めて年間1兆8000億円。
最大でそれの2倍から3倍弱の経済規模を持つ新産業が、突如立ち上がる。
景気面、財政面、雇用面で、瀕死の日本社会へのカンフル剤となりうるかもしれない。
もっとも、日本の状態はひどすぎて、このカンフル剤だけでは、とても生き残れなかろうとわたしなど悲観するのだが、それでもなにも手を打たないよりかは、はるかにましだ。
最後に死ぬのが、希望である。
カジノ合法化のための法案の正式な名称を、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」と呼ぶ。
通称は「IR法案」「カジノ法案」。
前述したように、超党派の推進母体となっているのが、「国際観光産業振興議員連盟(通称・IR議連、カジノ議連)」だ。
法案や議連の名からも推察できるように、タテマエ上は海外からの観光客をカジノでかっ剥(ぱ)ぐための環境整備法案と位置づけられる。
でもタテマエ上はどうあれ、ホンネでターゲットとして狙っているのは、もちろん虐(しいた)げられつづけてきた、可哀想な日本の賭博愛好者たちのフトコロだ。
あからさまにホンネを知らせちゃえば、選挙を控えた議員たちも賛成しづらいから、あたかも海外からの観光客のフトコロを狙っているような名称をつけた。
ただし、ジャンケットの導入が許されるようになると
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