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設定勝負の『まれ』と『あまちゃん』の違いとは?

ホメたくないけどホメざる得ないんだなあ

青木るえか エッセイスト

 最近、2ちゃんねるに広告が入るようになりまして、前も入ってたのかもしれないけど、専用ブラウザで見てたら広告は見えなかった。それが今は専ブラでも強制的に見させられる。2ちゃんねるもたいへんなのだなと思う。

 で、毎度見たくもない広告を見ているのですが、私の使ってる専ブラだと、やたら、というかほとんどが「エロ系ネットマンガの広告」。

 昔ながらのエロ漫画じゃなくて、少女マンガっぽい絵柄でえぐいことをするという、それが小さな広告枠の中で数コマ、目を惹くような場面と説明が載ってるんだけど、なんかもうデタラメなんです。

 「坊さんが少女とやってるらしいエロ」
 「人生がけっぷちのおっさんとワガママ御曹司のBL」
 「女装したカワイコちゃんの悪魔と何やらするBL」
 「記憶喪失の青年と恋人を失った男の同居生活が始まった」
 「結婚したら死んだはずの妻が生きていて妻がふたり!」
 「マジメな兄とニートの弟と天使のような姪の共同生活」
 「アルパカかあさん」

 なんだこりゃ。設定さえ変わってりゃいいというのか。

 別にこれが、ネットマンガだからデタラメだっていうわけじゃなくて、こういうのがズラっと並んでる本屋の棚はいくらでもあるわけですが、所詮そういうのは「ちゃんとしていないもの」として「それなりの扱いしかされない」ものだと思うのです。

 もちろん、そういう「設定勝負」みたいなとっぴな話で名作!というのもないことはないが(カフカの『変身』とか)、それは設定のとっぴさとは別のところで名作になってるのであって、いちばんラクチンな「とっぴを真似る」と惨憺たる有様になる。

 そうです。設定勝負のドラマもダメです。

 2時間枠のドラマとかなら、ダメであっても1回っきりでもう終わるから、さっさと忘れることができてまだマシだが、連続ドラマで設定勝負なことをされるとツライだけになるから本当にやめてほしい。

土屋太鳳 「まれ」に主演拡大『まれ』より(主演の土屋太鳳)
 『まれ』。まさにそれ。

 なんか始まった時から、『純と愛』的な、設定とか主人公の性格とか言動で、視聴者に一発かましたろう、みたいなものがぷんぷんしててイヤな感じだったんだ。

 ・夜逃げ同然に能登に行った一家の娘がケーキ職人を目指して上京する?
 ・父親が大泉洋。
 ・主人公、やたらオーバーアクション。
 ・なんか太鼓が鳴り響く。
 ・ナレーションがすでにしてオチャラケている。
 ・やたら夢を追い求めてるが、はんぱにとっぴ。いきなり漆職人になる!とか言い出す。

 ……なんかこう、企画会議の有様が目に浮かんで来るようだ。 ・・・ログインして読む
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筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

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