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[3]「開拓」を続ける市川海老蔵、九團次の選択

中川右介 編集者、作家

 中村屋兄弟以上に、集客力と歌舞伎座出演とが連動しない象徴が、市川宗家の、いまや当主となった市川海老蔵である。

 5月は團菊祭なので歌舞伎座に出演するが、これが今年最初の歌舞伎座出演だ。

 つまり、2014年12月以来、海老蔵は4カ月にわたり歌舞伎座に出ていない。その間、何をしていたのか。1月は新橋演舞場で『石川五右衛門』があったが、以後は25日間の本興行は、ひとつもない。

 といって、ブログばかりやっている

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筆者

中川右介

中川右介(なかがわ・ゆうすけ) 編集者、作家

1960年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2014年まで出版社「アルファベータ」代表取締役として、専門誌「クラシックジャーナル」、音楽書、人文書を編集・発行。そのかたわら、クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲などについて、膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、歴史に新しい光を当てる独自のスタイルで執筆。著書は『カラヤンとフルトヴェングラー』『十一代目團十郎と六代目歌右衛門――悲劇の「神」と孤高の「女帝」』『月9――101のラブストーリー』(いずれも幻冬舎新書)、『山口百恵――赤と青とイミテイション・ゴールドと』『松田聖子と中森明菜――一九八〇年代の革命』(ともに朝日文庫)、『戦争交響楽――音楽家たちの第二次世界大戦』『SMAPと平成』(ともに朝日新書)、『歌舞伎 家と血と藝』(講談社現代新書)、『角川映画 1976-1986(増補版) 』(角川文庫)、『怖いクラシック』(NHK出版新書)など50点を超える。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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