マックスむらい、アブ、Bell……
2015年05月19日
「ネットの世界は何と実況する人々で溢れているのだろう」。そう感じることがある。
「実況」と聞くと、テレビやラジオのスポーツ中継のようなものを連想する人が多いかもしれない。だが、ネットの世界で言う実況は、それとは違っている。
例えば2ちゃんねるには「実況ch」がある。その中にテレビの実況板もあるが、そこではテレビやラジオのスポーツ中継のような実況が行われるわけではない。
場合によっては、番組そっちのけで視聴者同士の雑談が盛り上がったり、言い争いが起こったりすることもある。その様子はまさに「実況する社会」だ。
そしてネット動画の分野でも、実況は盛んだ。なかでも代表的なのが、ゲーム実況である。
YouTubeやニコニコ動画の人気動画ランキングには、ゲームプレイの模様を実況した動画がずらりと並ぶ(言うまでもなく、ゲーム画面を投稿することには著作権上の問題が絡んで来る。ただ最近、任天堂が自社ゲームのプレイ動画についてユーザーと広告収益を分配するプログラムの運用を開始するなど、まだ限定的ではあるが公認の流れが進んでいる。各メーカーの対応についてはこちらを参照されたい)。
ニコニコ動画では、2015年「闘会議2015 GAME PARTY JAPAN~ゲーム実況とゲーム大会の祭典」というイベントを初開催した。恒例になっているイベント「ニコニコ超会議」から人気のゲーム部門を独立させた形だ。
1月31日から2日間で、来客者数が3万5千人余、ネット来客者数が574万人余に及んだという。すでに来年の開催も決まっている。
では実際、ゲーム実況はどのような形で行われるのか。例えば、ユーチューバーのひとり、『パズル&ドラゴンズ』のゲーム実況で有名なマックスむらいの動画は、こんな感じだ。
向かって左側にはプレイ中のゲーム画面、右側にはプレイするマックスむらいを正面からとらえた画面。マックスむらいは、ゲーム画面を見て攻略法を考えて選択し、それを実行に移す。そしてその結果に一喜一憂する。
その一部始終をマックスむらいは、自分の口から言葉にして伝える。それがこの場合の実況だ。
ここでもやはり、テレビやラジオのスポーツ中継とは違うのがおわかりだろう。
根本的に違うのは、ゲーム実況の場合、
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