メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

[7]ネット動画が「リア充」のものになるとき

MixChannelのキス動画、Vineの大関れいか……

太田省一 社会学者

 衆目の集まるところでキスをするのは相当の勇気がいる、はずだ。だが最近の若いカップルはそうでもないのだろうか? 

 昨今、カップルがキス動画を投稿して人気になっているという話を聞くと、ついそんな気持ちになる。

公開されているノアさんとキョウカさんの動画の一コマ=ノアさん提供拡大MixChannelで公開されているノアさんとキョウカさんの動画の1コマ=提供・ノアさん
 このブームの中心になっているのが、動画共有サービスのMixChannelだ。10代のユーザーが中心で、月間再生回数は5億回に達するという。

 その大きな特徴は、「LOVE」というカップル向けのカテゴリーがあらかじめ用意されていることである。

 そこにカップルが「今日で付き合って〇周年」などのタイトルでキス動画などを投稿し、自分たちの仲睦まじい姿をアピールする。その評判をきっかけに、このサービスは大きくユーザーを増やした。

 それはまさに、いわゆる「リア充」の世界である。

 だがそもそも「リア充」とは、“リアル=現実"の世界で“充実"した生活を送っているからネットとは無縁の人々のことを指す表現だった。

 そのようにして、ネットに自分たちの居場所を求める「オタク」と呼ばれる人々と「リア充」とは、反目し合いながらも互いの領分を犯さぬよう棲み分けをしてきたのではなかったか?

 とすれば、ここで注目したいのは、キスの ・・・ログインして読む
(残り:約2968文字/本文:約3496文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)。最新刊は『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)。

太田省一の記事

もっと見る