「イヤラシイおばあさんっぽさ」は薄いのだけど……
2015年07月15日
本屋の店頭で「なんだか売れてるなー」と感じる本がある。派手なポップがあるとか、何十冊も面出ししてるとかじゃなくて、いろんな本屋に行くたびにふと目についちゃうという本。
自分がいつも読む本や雑誌とはまったくちがうジャンルなのに、なんでこう目に入るんだろ、と気づいた頃にはテレビや雑誌で「今注目のこの本!」みたいに紹介されるわけです。
今までにそうやって目についたのが『サラダ記念日』とか『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』とか『生きて行く私』とか。
これも目につくなー、と思ったとたん、NHKの朝番組で著者インタビューつきで紹介された。『一〇三歳になってわかったこと――人生は一人でも面白い』。
篠田桃紅『一〇三歳になってわかったこと――人生は一人でも面白い』(幻冬舎)
篠田桃紅、志村ふくみ、岡部伊都子は混同しやすい。岡部伊都子はもう死んでいる。「美しい日本のおばあさん」たち。白洲正子もそこに入る。あの人もそうですね、辰巳芳子。
美しい日本のおばあさんなど、どこかしら感じの悪いものなのだが、その中で篠田桃紅はそれほどでもなかった。なんでだろう。
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