ショックを受ける現代女性の社会的背景
2015年10月07日
先日、歌手で俳優の福山雅治氏が、女優の吹石一恵氏と結婚したと報じられ、世間を大きく騒がせたかと思います。福山氏の所属するアミューズの時価総額が、1日にしておよそ40億円も吹き飛んだというのですから、その衝撃はかなり大きいものだったと言えるでしょう。
この福山氏の結婚に一部の熱狂的な女性ファンが強烈なショックを受けたようで、「同僚が会社を早退した」「母が家事を放棄した」というニュースが度々報じられました。
福山氏のケースに限らず、西島秀俊氏や向井理氏など、30歳以上で独身の男性芸能人が結婚したというニュースが伝わるたびに、このような行動に走る女性ファンの存在が報道で注目を集めています。
また、中には既婚女性がショックを受けているケースも存在しているようです。それに対して、「自分自身は結婚しているのに、なぜ他人の結婚を嫌だと感じているのか?」という疑問を持った人も少なくないはずです。
でも、なぜ「福山ショック」のような現象が起きるようになったのでしょうか? 既婚者であるにもかかわらず、なぜ独身者の結婚にショックを受けるのでしょうか? 今回は、「福山雅治氏の結婚でショックを受ける現代女性の社会的背景」について考えて行きたいと思います。
まず、本題に入る前に注意したいのが、「インターネットで情報が拡散しやすくなったため、一つの事例にスポットが当たりやすくなっている」というポイントです。情報がマスメディアのみで一方通行だった時代と比べ、ソーシャルメディアが栄華を極める近年は、個人が情報発信をする際のハードルが格段に低くなり、かつその情報が拡散されやすくなりました。
つまり、福山ショックは特異な事例だからこそネットの拡散力によって表に出て、報道でも扱われやすいという側面があることを見逃してはいけません。一種の「ノイジーマイノリティー」であるわけです。実際、周りに「福山氏の結婚で早退などの行動に出た同僚がいますか?」と聞いてみても、該当者はほとんど見つからないと思います。
ただ、少数とはいえども、これまではスポットが当たっていなかった行動であるのは間違いなさそうです。であるならば、いったいどのような社会的背景があって、このような女性たちの行動が生まれたのでしょうか。
ポイントは様々あると考えられますが、その中でも大きいと思われる4つについて、簡単にご紹介したいと思います。
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