国際映画祭は外国プレスや映画会社を相手にした勝負である
2015年11月05日
今年(2015年)で30年目を迎えた東京国際映画祭(TIFF)が終わった。1985年の創設以来、いつも批判ばかりされてきた同映画祭だが、今年はかなりの大きな改革が見られた。どこが良くなったのか、それでもどこがダメなのかを見てゆきたい。
私もWEBRONZAの「東京国際映画祭はなぜダメなのか」などで指摘してきた通り、国際映画祭の最大の役割は自国映画の発信なのに、TIFFは30年もそのことを理解してこなかった。カンヌやベルリンを見れば誰でもわかることなのに。
今年は初めて日本映画を世界に売り込む姿勢が感じられた。まずコンペの邦画がこれまでは1本が普通だったのに、初めて3本になった。これは画期的だと思う。
さらに「JAPAN NOW」としてこの1年の邦画の秀作を見せるセクションが新たにできて、原田眞人監督の代表作5本もその枠で上映された。
ほかにも、追悼特集「高倉健と生きた時代」や寺山修司生誕80年として4作品の上映もあった。
2014年から政府の助成金が増えたこともあるが、ようやく邦画の本格的発信が始まったと言えよう。これらは2012年から毎年私がここで提案してきたことだが、今年になって一挙に実現した感がある。
ところが残念なのは、
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