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児童ポルノ“保護”で国連脱退論が浮上(下)

なぜ、彼らはポルノ中心主義に依存するようになったのか

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 (上)では、一部の児童ポルノ漫画を趣味とした人々が国連脱退に言及するという「ポルノナショナリズム」の現象についてご紹介しました。

 実際、インターネットで検索を行えば、僅かながら今でもそれに関連する投稿を見ることができます。

児童ポルノ児童ポルノ漫画の画像はネットにあふれている(写真は加工してあります)
 確かに国連脱退に言及した人は極めて一部の人々に過ぎませんが、児童ポルノ漫画の表現規制に関するニュースや著名人の発言が出てくる度に、バランスを欠いた過激な主張が表出しているのは事実です。

 これらの様子が、ネット右翼が主張や言葉遣いを過激化させて行く現象との類似点が多いことからも、注視しておいたほうが良い現象として取り上げさせて頂きました。

 (下)も、児童ポルノ漫画に関する表現規制そのものについて論じるのではなく、児童ポルノ漫画の表現規制に反対する人々の一部が極端な主張に至る背景をテーマに、話を進めて行こうと思います。

 では、「ポルノナショナリズム」というものが、日本社会から生まれてしまったのはなぜでしょうか? これには「表面的な原因」と「深層的な原因」という2段階の原因が存在していると考えられます。

「ゲリラ世論」と社会

 まず、表面的な原因としては、

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