勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
サービス業の顧客志向と子育て環境のミスマッチ
資生堂は女性活躍推進に失敗したのか?(上)――時短はもはや時代遅れ。的外れな資生堂批判は止めよ
もう一つの「そもそも論」が、サービス業・小売業の問題です。
資生堂は近年国内売上が下がってしまったために今回の改革に踏み切ったわけですが、百貨店の書き入れ時が土日や平日の夕方以降であるにもかかわらず、時短の社員が増えたことでその時間帯に配置できる店員が少なくなり、機会損失(売り逃し)を招いたことが売上高減少の原因だとも言われています。
土日や平日夕方以降に売上高が大きく膨れ上がるのは、もちろんメインの顧客層が平日の昼間に働いているからです。
とりわけ、購買力のある正規社員は男女ともに定時であがれることは珍しく、仕事後の活動時間は遅くなりがち。それに合わせてサービス業・小売業も営業時間を遅くするのは当然の流れです。
百貨店の営業時間はおおよそ20時までですが、これはむしろ他のサービス業・小売業に比べれば、かなり早い閉店時間と言えるでしょう。
このように、サービス業・小売業の営業時間の拡充に伴って、確かに顧客にとっての利便性は高まったのかもしれません。
ところが保育所
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