メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

五郎丸歩の真似を一般人がしてはいけない

メディアによる「良妻幻想」の再生産

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 先日のラグビーワールドカップで3勝という歴史的快挙を達成したラグビー日本代表の選手が、TVに引っ張りだこです。バラエティー番組で見ない日は無いと言って良いほど、ゲストの中にラグビー選手の姿があるかと思います。

 このようにラグビーが脚光を浴びることは、これまでラグビーを盛り上げようと頑張ってきた人々にとっては、大変喜ばしい光景でしょう。改めて今回の快挙に祝意を述べたいと思います。

仏像と同じ「五郎丸ポーズ」をとる部員たち=岐阜県関市西日吉町 関善光寺拡大真似をするのはポーズだけで=仏像の姿が五郎丸選手に似ていると話題になった岐阜県の関善光寺
 ただ、ラグビー選手に限らないことですが、結婚している男性アスリートがTVのバラエティー番組に登場する際、必ずと言って良いほど他の出演者が「奥様のサポートがあるからですよね!」という誘導を行ったり、「陰で○○選手を支える奥様の存在があった!」というVTRを流したり、妻の「内助の功」にスポットを当てたがります。

 野球などでも、ヤンキースの田中将大投手の妻・里田まいさんが献身的な良妻として賞賛されることは少なくありませんが、今回も様々な番組で結婚しているラグビー日本代表選手たちには同じような言葉が投げかけられていました。

 また、今回の快挙で一躍国民的スターとなった五郎丸歩選手は、「スッキリ!!」(日本テレビ)に出演した際、「一歩二歩、後ろを下がって歩くような女性がいいですね」と発言しました。

 確かに五郎丸選手は福岡県出身の九州男児だからという背景もあるかとは思いますが、男女対等な社会を実現しようという近年の一般的な考えに対して真逆の考えを堂々と述べる様子にはかなり驚かされました。

 このように、アスリート自身や彼らを取り巻く環境には、かなり専業主婦志向が強く残っていると言えるでしょう。

 もちろん、内助の功でうまくやっている個々の家庭事情を否定するつもりはありませんし、個人の好みに対して「それは良くない」と言って介入するつもりもありません。

「内助の功」を賛美する報道

 ですが、このよう情報をメディアが扱っている際に、「メディアリテラシー」の観点から2点ほど気を付けなくてはいけないことがあります。

・・・ログインして読む
(残り:約2019文字/本文:約2873文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

勝部元気の記事

もっと見る