メディアによる「良妻幻想」の再生産
2015年12月03日
先日のラグビーワールドカップで3勝という歴史的快挙を達成したラグビー日本代表の選手が、TVに引っ張りだこです。バラエティー番組で見ない日は無いと言って良いほど、ゲストの中にラグビー選手の姿があるかと思います。
このようにラグビーが脚光を浴びることは、これまでラグビーを盛り上げようと頑張ってきた人々にとっては、大変喜ばしい光景でしょう。改めて今回の快挙に祝意を述べたいと思います。
野球などでも、ヤンキースの田中将大投手の妻・里田まいさんが献身的な良妻として賞賛されることは少なくありませんが、今回も様々な番組で結婚しているラグビー日本代表選手たちには同じような言葉が投げかけられていました。
また、今回の快挙で一躍国民的スターとなった五郎丸歩選手は、「スッキリ!!」(日本テレビ)に出演した際、「一歩二歩、後ろを下がって歩くような女性がいいですね」と発言しました。
確かに五郎丸選手は福岡県出身の九州男児だからという背景もあるかとは思いますが、男女対等な社会を実現しようという近年の一般的な考えに対して真逆の考えを堂々と述べる様子にはかなり驚かされました。
このように、アスリート自身や彼らを取り巻く環境には、かなり専業主婦志向が強く残っていると言えるでしょう。
もちろん、内助の功でうまくやっている個々の家庭事情を否定するつもりはありませんし、個人の好みに対して「それは良くない」と言って介入するつもりもありません。
ですが、このよう情報をメディアが扱っている際に、「メディアリテラシー」の観点から2点ほど気を付けなくてはいけないことがあります。
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