自己は世界まで拡張できる
2015年12月09日
九州で育った小阪修平(現・評論家)がはじめて東京へ出てきたのは1966年だった。
東大に入学した小阪は、「岩波新書は半分ぐらい」読んでいたが、自身の「一般的な教養」の“外”の世界があることをすぐに思い知る。
知的世界が急激に拡大するにつれ、この領域でなら、「自分は何でもできるという感覚」が彼の中にごく自然に生まれていた。
世界の先端思想に自分はいつでもつきあえるという効力感である。
思うに1966年は、こうした知的効力感に裏打ちされた「知識人」が
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