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キャンディーズから考える70年代アイドル(下)

アイドルの「忘れられがちな原点」

太田省一 社会学者

 ファンとキャンディーズの関係性をうかがわせる場面が、コンサートの後半から最後にかけて相次いで登場する。

 コンサートの定番曲のひとつ『SUPER CANDIES』は、本人たちではなく会場のファンがバックを務めるMMPとともにキャンディーズへの応援歌として歌うものだった。

キャンディーズ拡大「本当に、私たちは幸せでした!」という言葉を残したキャンディーズ
 ただその間、いつもキャンディーズは衣装替えなどで聴くことができなかった。

 そこでランが当日「MMPと一緒に歌っているところを聴かせてください」とファンに提案し、初めてキャンディーズの目の前で披露されることになった。

 その間、ステージ上に並んでファンの大合唱を感じ入ったようにじっと聴いている3人。

 そしてそれが終わると同時に『ハートのエースが出てこない』のイントロが流れ出し、オリジナルヒットメドレーが始まる。このコンサートの白眉のひとつだ。

「共同作品」としてのアイドル

 そのメドレーの後に、ラストシングルとなった『微笑がえし』が歌われるのもまた感慨深い。

 当時キャンディーズのライバルと ・・・ログインして読む
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筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)。最新刊は『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)。

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