鈴木京一(すずき・きょういち) 朝日新聞文化くらし編集部ラジオ・テレビ担当部長
1963年生まれ。東京大学教養学部卒。1987年、朝日新聞社入社。東京と大阪の旧学芸部や文化グループで、主に論壇関係の取材記者や編集者をしてきた。女性アイドルのライブ見物が20年来の趣味。好物は「ハロー!プロジェクト」。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
長くアイドルオタやっててよかったなあ……
1)アンジュルム(11月29日、日本武道館)
アンジュルムはモーニング娘の姉妹グループにあたる9人組。2009年に「スマイレージ」の名前でデビューした。
ハロー!プロジェクトの「長女」であるモー娘と比べると、これまで扱いは一格下。十分集客力はあるはずなのに、コンサートは規模の小さなライブハウスが多かった。そのことはメンバー自身からもしばしば自虐的に語られたが、でも「次女」としての自由さもあったように思う。
今回は結成時から在籍していた福田花音の卒業公演。モーニング娘のメンバー卒業公演は、残留者一人一人が卒業者にメッセージを告げる、というのがお約束だが、今公演はそれは排し、代わりに福田が残る8人と1人ずつメドレーでデュエットする、という場面がハイライトだった。
選曲は福田自身。ダンスが得意なメンバーにはダンスの見せ場を作ったり、メンバー間の関係性を表した歌詞の曲を歌ったりするなど、趣向を凝らしたものだった。
卒業後、福田は作詞家を目指すというが、プロデューサー的な仕事をしてもいいのではないか。
このところのハロプロは、3月に活動休止したBerryz工房のメンバーにスタッフとタレントの橋渡し役という「ハロプロアドバイザー」の肩書きを与えるなど、卒業後の道筋の一つとして裏方を模索しているようだ。将来、アイドルOGがアイドルを生み出すこともあるのではないか。
2)モーニング娘。'15(12月8日、日本武道館)