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[2015年 映画 ベスト5(2)] 新世代へ

若手の3本で、日本映画の未来は明るいと断言できる

古賀太 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

(1)『ハッピーアワー』(濱口竜介監督)
(2)『トイレのピエタ』(松永大司監督)
(3)『さようなら』(深田晃司監督)
(4)『黒衣の刺客』(侯孝賢監督)
(5)『マッド・マックス 怒りのデスロード』(ジョージ・ミラー監督)
(別枠)東京国際映画祭のブリランテ・メンドーサ監督特集

 去年(2014年)のベスト5は、外国映画ばかりを選んだ。11月に公開された傑作『0.5ミリ』(安藤桃子監督)を見たのが今年になってからということもあるが、去年の邦画は全体的に不作だったと思う。それに比べて、今年の日本映画は文字通り豊作だったのではないか。

ハッピーアワー拡大『ハッピーアワー』
 邦画では『ハッピーアワー』、『トイレのピエタ』、『さようなら』という心が震えたかなり若手のインディペンデント映画3本を選んだ。

 ほかにもドキュメンタリー『戦場ぬ止む』(いくさばぬとぅどぅみ、三上智恵監督)や三澤拓哉の初長編監督作品『3泊4日、5時の鐘』など、若手の秀作が多かった。

 中堅でも黒沢清監督の『岸辺の旅』、廣木隆一監督の『さよなら歌舞伎町』、河瀨直美監督の『あん』、橋口亮輔監督の『恋人たち』、園子温監督の『ラブ&ピース』、塚本普也監督の『野火』、是枝裕和監督の『海街diary』(以上、好きな順)などのインディペンデント作品で、それぞれが明らかに新たな地点を切り開いていたと思う。

 さらにメジャー映画でも、『バクマン。』(大根仁監督)、『ソロモンの偽証』(成島出監督)、『ビリギャル』(土井裕泰監督)などが相当に見応えがあった。

 これらはすべて1950年代半ば以降に生まれた監督たちだ。もっとベテランの山田洋次監督(『母と暮せば』)、原田眞人監督(『駆込み女と駆出し男』『日本のいちばん長い日』)、小栗康平監督(『FOUJITA』)などがそれなりの力作を作りながらも、明らかにここに挙げたより若い世代の作品の衝撃に及ばない。もはや日本映画は確実に世代交代が進んだと言えるのではないか。

 その点、外国映画は

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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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