勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
ブラック企業化する社会貢献の問題
次に、おっぱい募金の賛成意見における問題点について見て行きたいと思います。
おっぱい募金賛成派は、出演するAV女優さんが嫌がっているとは思えない言動をしていることを根拠に、「彼女たちの自己決定権が担保されているのだから問題無い」という意見を書いている人が多いように感じます。
この7175人もの人が集まって何時間も女性の胸を触り続けるという企画は、賛成派の言うように、自己決定権の範囲内として何も問題無い企画なのでしょうか?
もちろんそうは思えません。
たとえば、都議会のセクハラ野次問題で野次を受けた塩村文夏都議が、仮に野次の内容を気にしていない場合、野次を言った鈴木章浩都議は許されるかと言えばそうではありません。
北原みのり「結婚・妊娠ヤジ『謝罪』に思う――『セクハラ』の本質はまだ理解されていない」(WEBRONZA)
それと同様に、おっぱい募金も「当事者(出演しているAV女優さん)が問題無いと言っているから問題無い」とは言い切れないと考えるのが妥当です。
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