勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
賞賛される海外ヌード寄付との違い
最後に、最も重要なテーマである、おっぱい募金は性的搾取に該当するのか、もし該当するのであれば、性的搾取に該当するか否かの境界線はどこに設けるべきかについて考えて行きたいと思います。
(上)の前書きでも触れたように、世界三大通信社の1つAFP通信では2014年の開催に触れて、都議会のセクハラ野次問題と同様に「old-fashioned views towards women that still permeate Japanese society.(時代遅れの女性観が日本社会に蔓延している)」問題だと指摘しています。
「おっぱい募金」を許して良いのか?(上)――募金の概念を狂わせる新たな性風俗モデル(WEBRONZA)
これに対しておっぱい募金賛成派の中には、「日本は日本だから」と言う人が多いのも事実です。
確かに安易に世界標準に同調しないということ自体は悪いことではありませんが、自分たちが間違っているかも検証せずに、結論ありきの姿勢では思考停止に過ぎず、まずは疑ってかかるべきでしょう。
その上で、まず結論から述べてしまいますが、私はおっぱい募金について「計画の主導者」「社会的影響と規模」の2点から、当事者の性的自己決定権の範囲を超えた「性的搾取」「女性のモノ化」であると考えます。
先日、イギリス・オックスフォード大学の女子ラグビー部が摂食障害を支援する団体に寄付するためにヌード写真を発売した記事がネット上で話題になりました。この他にも、海外では社会運動の資金を集めるためにヌードを披露するということがしばしば行われます。
ただ、海外の事例にはあまり反対意見が出てこないどころか、賞賛の声が大きくあがります。なぜかと言えば
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?