SNSによる急速な拡散と消費
2016年01月08日
平和と反戦のシンボルのピースマークに、エッフェル塔を掛け合わせたデッサン。
黒ペン1色で描かれたシンプルなものだが、見る人の懐にまっすぐ飛び込んでくるような強い印象を残す。
ロゴには「Peace for Paris」という文句が添えられ、発表された。
作者はフランス西部の町ナント出身で、ロンドン在住のイラストレーター、ジャン・ジュリアン(32)。ラジオで祖国のニュースを聞いて衝撃を受け、最初に浮かんだイメージを、下書きなしで一気に描いたものだという。
自爆テロと銃乱射は2015年11月13日金曜日の21時台から始まっていたが、彼は2時間半後の深夜0時頃にはこのロゴを、インスタグラム、ツイッター、公式サイトなどにアップしていったそうだ。
しかしこれらの数字は実際のインパクトを表してはいないだろう。有名デザイナーやミュージシャンも共有したこともあり、最終的には世界で数百万から数千万人がシェアをしたとも言われている。
海外の反応は迅速で、タイム誌やニューヨーク・タイムズ紙、CNCなどは、フランスの多くのメディアよりも早いタイミングで、ジュリアンにインタビューを敢行していたほどだ。
振り返れば2014年1月のシャルリー・エブド襲撃事件の後にも、「私はシャルリー(Je suis Charlie)」のロゴが誕生し、SNSを介して瞬く間に世界を駆け巡っていたものだ。
こちらはフランス人グラフィックデザイナーで、音楽ジャーナリストのジョアキム・ホンサン(38)が手がけたロゴであり、「私は自由」「私は恐れない」という意味が込められていた。彼の場合は、事件発生から30分以内にロゴをツイッターで発信していたというから、行動の早さにあらためて驚いてしまう。
ただ発信のスピードが早いのは、当然といえば当然かもしれない。ジュリアンとホンサン双方の発言を読むと、
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