メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ファンと世間を動かしたSMAPとは何なのか?

最大の障害を経たプロジェクトはいまだ道半ば

太田省一 社会学者

メンバーが見せた苦渋の色

 2016年1月13日、一部スポーツ紙にSMAP解散、あるいは分裂危機という内容の記事が掲載された。

 その後SMAPの所属するジャニーズ事務所側は、代理人を通して「一部メンバーの独立について協議・交渉中」であることを認めた。テレビのワイドショーや情報番組だけでなくニュース番組でも大きく取り上げられた。だが真偽の定かでない話も多く、情報は錯綜した。

「SMAP解散」を報じた日刊スポーツ紙(2016年1月13日付)拡大「SMAP解散」を報じた日刊スポーツ紙(2016年1月13日付)
 そんななか、2016年1月18日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)が一部予定を変更し、生放送となった。

 そこでSMAPの5人が今回の騒動を謝罪した。

 その雰囲気は重苦しいという一語に尽きた。話された内容にもすっきりしない、もどかしい部分が残った。

 しかし一方で、彼らがグループ存続の方向を打ち出した事実を忘れてはならないだろう。

 その表情には苦渋の色が浮かんでいたし、今後の活動がどのようなかたちになるのかについても、現状は不透明なままだ。

 とは言え、いずれにしてもSMAPは存続という方向を選択した。

 中居正広は、番組中で「SMAPがどれだけ皆さんに支えていただいているのかということを、改めて強く感じました」と語った。それはおそらく、最初の報道があって以来、予想を超えて大きく巻き起こったファン、そして世間の人々のグループ存続への声の高まりを指してのことだろう。

ファンによる支援の動き

 今回、報道を受けてまずファンが、アクションを起こした。

 すでにニュースにもなったように、SMAP最大のヒット曲である『世界に一つだけの花』の購買運動が呼び掛けられ、さっそくオリコンデイリーチャートで9位(2016年1月14日付)にランクインするなど、さまざまなかたちでファンとして支援の意思を彼らに伝えようという動きが自然発生的に生まれた。

 同じような例として思い出すのは、 ・・・ログインして読む
(残り:約3317文字/本文:約4111文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

太田省一

太田省一(おおた・しょういち) 社会学者

1960年、富山県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビ、アイドル、歌謡曲、お笑いなどメディア、ポピュラー文化の諸分野をテーマにしながら、戦後日本社会とメディアの関係に新たな光を当てるべく執筆活動を行っている。著書に『紅白歌合戦と日本人』、『アイドル進化論――南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、『社会は笑う・増補版――ボケとツッコミの人間関係』、『中居正広という生き方』(いずれも青弓社)。最新刊は『SMAPと平成ニッポン――不安の時代のエンターテインメント 』(光文社新書)、『ジャニーズの正体――エンターテインメントの戦後史』(双葉社)。

太田省一の記事

もっと見る