働く女性の先輩に、同じ働く女性として
2016年01月27日
新聞社の経済記者として、小売業界を取材していたのは20年以上前だった。
ダイエーの中内㓛さんをはじめ、創業者が現役社長という企業も多かった。どこも一部上場企業であり、全国に出店している巨大企業だったが、「オーナー会社」としての色合いが企業ごとに違うことは、30歳そこそこの私にも感じられた。
創業者の個性が強いほど、その人をあがめたてまつる感が強いのは当然と思うが、創業者の親族(兄弟とか息子とか)が経営陣にいて、その人も含め「創業者一族でございます」感が強いところほど、社員が窮屈そうな感じがした。
たとえば若くして役員になっている創業者の息子がいる某企業。
彼が入社したもっと若いとき、その若き2世のことを、面と向かってでなくても「●●くん」と呼んでいた社員は、いまはみんな辞めている、などと解説してくれる部長(2世よりだいぶ年上。もちろん一族ではない)などがいて、「なんか大変そうだなあ」と思った記憶がある。
まあこちらは、自分は「放し飼いにされている」と信じて、社内で躾のできてない振る舞いを数々重ねた挙句、「なんだ、放し飼いでもないのか」とやっと気づいたおっちょこちょいである。オーナー会社の大変さなど、現実にはほとんどわかっていなかった。
それから幾星霜。55歳になって早々の本年1月、オーナー会社で働くという厳しさをこのような形で知ることになるとは。
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