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おぼちゃん『あの日』は「先生と私」トークだらけ

「褒められたい」というモチベーションを切り替えられなかった研究者

矢部万紀子 コラムニスト

 おぼちゃんこと小保方晴子さんの著書『あの日』を読んだ。

 科学の知識の乏しい私の理解した範囲でいうと、「私が気づいて、こだわりたかったのはSTAP現象だったのに、若山さんって人がかかわってきてからおかしなことになった。キメラマウスに私はまったくかかわらせてもらえなかったのに、そのへんからES細胞混入って話にされてしまった。悪いのは若山さん。あと毎日新聞の女性記者はひどい。NHKは全体にひどい。早稲田大学もひどい」という内容だった。

 と、このまとめだが、本文と明らかに違えたことがひとつある。

 おぼちゃんは1回も「若山さん」と書いていない。「若山先生」と書いている。

 『あの日』の中でおぼちゃんは、何度も何度も若山照彦・山梨大学教授のことを書いている。最初は「すごいゴッドハンドの人」の文脈で、後には「批判」「怒り」「悪口」の文脈で書いているが、一貫して「若山先生」なのだ。

この姿拡大この姿に、「ファン」になったおじさんも多かった

幼さが不憫なのだ

 私がこの本を読んで、いちばん感じたのは、「おぼちゃんは、先生という人の

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

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