[13]人はいかにしてユーチューバーとなるのか
「あ 動画です」、「YouTube クリエイター Meetup」……
太田省一 社会学者
今、ネットでちょっと話題になっているのが「あ 動画です」のシリーズだ。
きっかけは、お笑い芸人のオリエンタルラジオ・藤森慎吾が自分のインスタグラムに上げている動画。仕事仲間の芸人や芸能人にスマホを向け、写真と思わせてポーズを取らせたところで「あ、これ動画です」と藤森がバラす。
そのときの反応が千差万別、それぞれの個性が出て面白いというので評判になっている。

“スター”ユーチューバーになったはじめしゃちょーさん
例えば、ハリセンボン・近藤春菜が「動画かい」と見事な間のツッコミを返すのも、アンガールズ・田中卓志が「エッ、マジでえ~」と決まりの悪そうな微妙な笑顔になるのも、いずれもらしさが伝わってくる。
「#あ動画です」とハッシュタグをつけて検索すれば、芸能人に限らず、一般の人々の同じような動画がたくさんヒットする。
日常に入り込み始めた動画
インスタグラムやVineなど誰もが簡単に動画を撮ってアップできる時代。この連載でも、そういう話を何度かしてきた。
一方、スマホを向けられれば何か撮られることはわかっていても、動画ではなく写真だとつい思いこんでしまう人もまだまだ多いだろう。
この「あ 動画です」は、そんな時代の過渡期を逆手に取った「プチどっきり」といったところである。
だが裏を返せばそれは、
・・・
ログインして読む
(残り:約2822文字/本文:約3358文字)