元同業者としては、複雑だったりするけれど……
2016年03月01日
つい先日、神保町の古書店に行ったら、ラジオが流れていて、FMのようだった。
しばらくすると、「私以外私じゃないの」が聞こえてきた。最初から最後まで、フルコーラスがかかり、聴き入ってしまった。
この歌については、甘利元大臣が「だーかーら、マイナンバー」と歌っているのと、本人(川谷絵音さん)歌うところのサビの部分のみを、ワイドショーで聞くばかりだったのだ。
どちらもセットで、「週刊文春にしてやられた2人」という文脈で取り扱われていた。
私はサラリーマン人生のいちばん長くを「週刊誌」作りにかかわってきた。
もちろん、週刊文春でないところでだ。いわゆる「総合週刊誌」というものを作ってきたので、まあ、「週刊文春のライバル誌」を作ってきたわけだ。
週刊誌を作っていた会社を5年前に辞め、以来シニア女性向け月刊誌の編集長をしている。
そうなってからは、わりと平らな気持ちで週刊文春を眺めていたが、でもなんとなく、「かつて競っていて、正直負けていた相手」であるという事実を前に、ちょっと素直になれないというか、まあ、そういう面はあった。文春の手柄を前にすると、ちょっと心が傷つくような。
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