シナリオ通り? 出来過ぎなほど成功したアピール
2016年03月10日
カンヌ、ベネチアと並び、三大映画祭のひとつに数えられるベルリン映画祭。第66回を迎えた今年は、2月11日から21日まで11日間にわたり開催された。
一般にベルリン映画祭について語る時には、“社会派”とか“政治的”という形容を付けられることが非常に多い。たしかにその看板に嘘偽りはないだろう。
例えば昨年(2015年)であれば最高賞の金熊賞は、ジャファル・パナヒ監督の『タクシー』が受賞した。
だが今年はさらに輪をかけて、社会派の呼び声にふさわしい面目躍如のような年となったのだ。
映画祭ディレクターのディーター・コスリックは「1951年以来、ベルリン映画祭は民族間の平和促進のために寄与してきた。今年が例外というわけではない」とも語っているが、客観的に眺めてみると、移民問題で激震が走るヨーロッパにおいて、本映画祭の存在意義がこれまで以上に発揮された年はないだろう。
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