青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
コテコテのやりすぎはあるけれど
『真田丸』は面白い。
評判がいいらしい『あさが来た』はまったく面白くなくて逆に不快なぐらいだ。朝っぱらから金持ちのいい気な話を見せられるのはやってられん。あさのやったことって、金持ちに生まれてなかったらひとつも成し得てないだろう。
いやちがう、あれはあさだからこそできたことだ、と納得できるものは何も描かれない。だからいい気な話だというのだ。
じゃあ真田一家には納得がいくかというと、……そういうところで勝負してるドラマじゃない気がする。
視聴者に教訓を与えるお話ではない。
戦国時代に、いかに面白く魅力的なおっさんたちがわちゃわちゃやっていたか、というのを見せるのが眼目だろう。
それを言うなら、もはやタイトルすら忘れかかっている……『花燃ゆ』か。
あれだって「幕末、いかに魅力的な男女がかっこよく時に悲劇的に維新をなしとげたか」を描こうとしてたに違いないんだが、描き方がうまくなかった。
「目の前に見えているところだけでかっこつけてる」「その回の、終わるまでの45分間だけ通用するかっこつけ」
歴史モノだったら「この行動が、この先遠い将来……」というのも重要だろうに、いちいちタネ明かしがある、先につながらない行動の集積で、それってつまり「登場人物がバカに見える」のだ。
かっこつけてるのがわかるだけにバカがバレるとつらい。
『真田丸』に出てくる人物は、そういう意味で
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