2016年03月28日
前回の原稿では、「不育症」で4回の流産をしたミカさんのケースをお伝えした。実はこの取材は、彼女からのメールを受け取って実現した。
連載 不妊大国ニッポンのリアル [9]「不育症」――4回の流産ののちに……
前述したように、不妊治療を受けている友人に、
「妊娠するだけいいじゃない」
と、言われたことから、もっと「不育症」について知って欲しいと考えたからだという。
「彼女も辛かったとわかるから、私も言い返せなかった。苦しみは違っても、赤ちゃんを抱けないという意味では一緒のはずです」
と言って、ミカさんは眉間に皺を寄せた。
杉ウイメンズクリニック(神奈川県横浜市)の杉俊隆院長は、「不妊症の女性が不育症の女性にぶつける言葉として、非常によくあるケースだ」と、前置きした上で、次のように推測する。
一般に、「不妊」は「妊娠しないこと」、「不育」は、流産や死産を繰り返すなど「妊娠はできるけれど、出産に至らないこと」と分類されている。
おのおの「苦しみの深さ」に違いはないはずだが、決定的に異なるのは、不育は
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