視聴者を揺さぶった「ヤキモキ」
2016年04月06日
ディーン・フジオカなどの新しいスターを生み出し、平均視聴率は関東地区で23.5%と、朝ドラとしては今世紀最高の記録を樹立した「あさが来た」。
好評の理由にはさまざまなものがあると思うが、個人的には、このドラマは、恋愛を描いたドラマということで成功したと思う。
現在、恋愛ドラマが不調なのは、第一の目的を「恋愛」においているだけだからではないだろうか。
恋愛それ自体が目的になると、ストーリー展開も恋愛を中心に動くものになってしまうから、恋愛というテーマに興味のない人を振るい落としてしまう。
しかし、「あさが来た」のように、全体的には、ヒロインが自らの手で事業を成功させていく姿を描くという目的があり、その中で、ヒロインや、そのほかのキャラクターの恋愛が描かれるというほうが、恋愛の部分が際立って見える。
しかも、恋愛ドラマと聞くととにかく甘いものを想像して敬遠する人もいるが、恋愛の要素自体は否定していない人もいて、そんな人にも受け入れられるのではないかと思う。
恋愛を描いたシーンというものは、人によって受け止め方はそれぞれで、今や「キュンキュンしたい」人は、キュンキュンするシーンが連続して出てくる映画をお金を払って見に行くことも可能であるし、そのビジネスモデルで成功する作品も次々と出てきていて、確立しつつある。
しかし、その手法をテレビにもってくるのは、また違う。
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