ロード・ムービー形式、古典性と現代性の共存、超絶な画面造形など
2016年04月13日
中盤で、2人がアメリカ西部を巡る自動車旅行に出発する『キャロル』は、よってそれ以降、恋愛映画+ロード・ムービーという形をとる(キャロルの運転するロールスロイスのゆるやかな速度が、ロード・ムービー感を高める)。
ハイスミスの原作どおりの展開ではあれ、ヘインズ監督と脚本家のナジーは、原作を大きく刈り込み、優れた映画ならではの簡潔な語りで、ドラマを佳境に導いてゆく(ハイスミスの原作<柿沼瑛子・訳、河出書房新社、2015>でキャロルが登場するのは50頁<第1部第3章>であるが、彼女を映画の冒頭で登場させたヘインズおよびナジーの脚色は卓抜)。
2人は、オハイオのモーテルでついに結ばれるが、そのラブシーンは
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