横田由美子(よこた・ゆみこ) ジャーナリスト
1996年、青山学院大学卒。雑誌、新聞等で政界や官界をテーマにした記事を執筆、講演している。2009年4月~10年2月まで「ニュースの深層」サブキャスター。著書に『ヒラリーをさがせ!』(文春新書)、『官僚村生活白書』(新潮社)など。IT企業の代表取締役を経て、2015年2月、合同会社マグノリアを設立。代表社員に就任。女性のためのキャリアアップサイト「Mulan」を運営する。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
不育症に対する認知の低さは、ここ数回の記事の反応から、筆者も実感しているところだ。
しかし、不妊治療に悩む女性には、不育の知識があった方が良いはずだ。なぜなら、不育症と不妊症との境目は実に曖昧だということが、ここ数年の研究などでわかってきたからだ。
不育専門外来などでは、不妊治療中の患者さんが訪れる姿が散見されるようになっている。いったいどんな患者さんたちが訪れているのか。
「何度体外受精にトライしても全く着床しないという患者さんたちです。中には、『受精卵のグレードは最高レベルなのに、なぜ』と泣かれて、話ができない方もいらっしゃいます」
と、不育の専門医は説明する。
受精卵が着床しなければ、当たり前だが妊娠しない。それでなくとも、体外受精は採卵時の費用も含めて、そのたびにお金に羽が生えて飛んでいく。何度試みても着床しないことに疑問を感じた患者さんが、
「フライングで検査したところ陽性になった例が何度かあった。いわゆる『化学流産』を繰り返しているのではないでしょうか」
と言って、診察に来るというのだ。
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?