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ろくでなし子氏の一部有罪判決に残る疑問(上)

現行のわいせつ性の基準は間違いだらけ

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 漫画家・ろくでなし子氏(五十嵐恵被告)の女性器アート作品等がわいせつだとして争われた刑事裁判で、2016年5月9日に東京地裁(田辺三保子裁判長)で判決が言い渡されました。

公式ホームページろくでなし子さんの公式ホームページより
 女性器をかたどった作品を都内のショップに陳列した「わいせつ物陳列罪」に関しては無罪となった一方で、クラウドファンディングの寄付者に対して女性器の3Dデータを配布したとする「わいせつ電磁的記録等送信頒布の罪」などについては有罪(罰金40万円)が言い渡されるという結果になりました。

 被告は判決を不服として即日控訴したとのことです。

 逮捕当時から多くの論者が彼女の逮捕に反対する主張を展開しておりましたが、今回わいせつ物陳列罪が無罪になったことは、私も妥当だったと考えています。

皆、わいせつ性の本当の意味を誤解している

 ですが、そもそもわいせつ性に関する現行の法体系や裁判の判断基準は、もはや限界に来ているように思うのです。

 というのも、

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