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ろくでなし子氏の一部有罪判決に残る疑問(下)

逮捕するべき人物は他にたくさんいる

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

保釈後の会見で、作品を手にポーズをする漫画家のろくでなし子さん=26日夜、都内の弁護士事務所20141226保釈後の会見で、作品を手にするろくでなし子さん=2014年12月、東京都内の弁護士事務所
 前回に引き続き、漫画家のろくでなし子氏(五十嵐恵被告)が一部有罪となった件について見て行きたいと思います。

「ろくでなし子氏の一部有罪判決に残る疑問(上)――現行のわいせつ性の基準は間違いだらけ(WEBRONZA)

 前回は、わいせつ的だとされたものが社会的に適切か否か判断する際には、以下の5つの基準に沿って決定されるべきであり、その点から作品を店内に展示したケースに関しては無罪が妥当であるとの結論を導き出しました。

(1)わいせつだと感じる人の多さはどれくらいか
(2)どの程度わいせつ性が強いと感じるか
(3)情報の受け手と送り手はどの程度故意的であるか、他者に向けた表現か自身の表現か
(4)どの程度公共性のある空間か、不快に感じる人々との間のゾーニングがどの程度徹底されているか
(5)性差別的または性暴力的ではない等、社会や文化に対する影響の大きさはどの程度か

非アダルトサイトで性器データの販売は適切か?

 では次に、彼女が問われているもう一つの罪である、3Dデータを配布した問題も、上記の5要件に当てはめてみたいと思います。

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