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蓮實重彦氏の三島賞受賞パフォーマンス、その真意

「文学賞」も「東大総長」も実はたいしたものではないという精神

古賀太 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

 海外(パリ)にしばらく暮らしているが、それでも蓮實重彦氏の三島賞受賞記者会見の発言はあちこちから伝わってきた。フェイスブックやツイッターで何度も見たし、私が蓮實氏と面識があることを知っている複数の友人はメールで教えてくれた。

 「ご心境という言葉は私の中には存在しておりません。ですからお答えしません」
 「まったく喜んではおりません。はた迷惑なことだと思っています。80歳の人間にこのような賞を与えるという事態が起こってしまったことは、日本の文化にとって非常に嘆かわしいことだと思っております」
 「馬鹿な質問はやめていただけますか」
 「この作品についてどなたか聞いて下さる方はおられないんでしょうか」

三島由紀夫賞の受賞が決まり、記者会見する蓮實重彦さん=16日午後7時46分、東京都港区20160516拡大三島由紀夫賞の受賞記者会見で「蓮實重彦氏は不機嫌だった」とも報じられたが、実際はどうだったか=2016年5月16日
 おもしろ過ぎだが、ツイッターなどの多くの反応は「そんなに文句があるなら受賞を断ればいいのに」というもので、これらは蓮實氏の真意を全く理解していないように思う。
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筆者

古賀太

古賀太(こが・ふとし) 日本大学芸術学部映画学科教授(映画史、映像/アートマネジメント)

1961年生まれ。国際交流基金勤務後、朝日新聞社の文化事業部企画委員や文化部記者を経て、2009年より日本大学芸術学部映画学科教授。専門は映画史と映画ビジネス。訳書に『魔術師メリエス――映画の世紀を開いたわが祖父の生涯』(マドレーヌ・マルテット=メリエス著、フィルムアート社)、共著に『日本映画史叢書15 日本映画の誕生』(岩本憲児編、森話社)など。個人ブログ「そして、人生も映画も続く」をほぼ毎日更新中。http://images2.cocolog-nifty.com/

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