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清原和博は己の弱さを本当に見つめていたのか

「1985年」ではなく、今を生きてほしい

西森路代 フリーライター

涙を流してきた清原

 現在公開中の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の主人公、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースは、その昔、軍の徴兵基準を満たせないほど貧弱な身体の持ち主であったが、なんとか軍の一員となり、特殊な血清を打つことで、屈強なヒーローになった。

 このことは、2011年の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に描かれている。その中で、ロジャースから「体が弱い自分をなぜ(血清を打つ)被験者にするのか?」と尋ねられたアースキン博士は、「強者は生まれつき力が強く力に敬意を払わない、だが弱者は力の価値を知っている。そして哀れみも」と答える。

 スティーブ・ロジャースは弱さと哀れみを知っている人物だが、私は清原和博も、弱さを知っている人だと思っていた。そう思っていたのは、単純ではあるが、彼がとにかく涙を流してきたからだった。

西武に指名されたPL学園の清原拡大1985年のドラフトで、意中の巨人ではなく、西武に指名されて涙ぐむ清原和博
 リアルタイムで覚えているのは、1985年のドラフト会議。

 かねて入団することを夢見ていた巨人から指名されなかった清原は、公衆の面前で悔し涙を見せた。

 その後、1987年の日本シリーズで巨人を破って西武が日本一になる直前にも涙を見せた。

 そのとき、チームメイトだった工藤公康は「あの涙は美しかった」と語っているが、当時、アイドル的な人気もあった清原の涙を、私も美しいものとして見ていたと思う。

 清原は自分でもことあるごとに「弱さ」を認める言動をしていた。

 例えば高校時代、甲子園の試合に出る前はとにかく緊張でお腹を壊していて、バスを降りたらまずトイレに駆け込んでいたというし、プロデビュー当時からマスコミに注目され、それに対して、どっしり構えることができなかったという。

 そして、今回の逮捕である。それは、「弱さ」から来ていると、本人も公判で語っている。

清原にとっての「力の価値」

 しかし今となっては、本当の

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筆者

西森路代

西森路代(にしもり・みちよ) フリーライター

フリーライター。1972年生まれ。愛媛と東京でのOL生活を経て、アジア系のムックの編集やラジオ「アジアン!プラス」(文化放送)のデイレクター業などに携わる。現在は、日本をはじめ香港、台湾、韓国のエンターテイメント全般について執筆中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)がある。

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