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どはずれた万能感をもつ舛添要一さんの「理屈」

「俺の快適は、都民の快適。俺の成長は、都民の幸福」

矢部万紀子 コラムニスト

頭のいい人にしては、ぬかった

 舛添要一さんの数々の疑惑の支出問題について、「公私混同」「ケチ」「せこい」などなどとまとめられている。でも彼は、一度も「公私混同」とも、「ケチ」とも「せこい」とも思ったことはないだろう。

舛添要一俺の猛省は俺の大成長、俺の大成長は都民の幸福?
 舛添さんは頭のいい人だ。公用車はどういう規則で乗ることができるか、政治資金規正法はどうなっているか、ちゃんと把握しているに違いない。もちろん、違法性がないと本人的には指差し確認済み。

 が、それだけでなく、そこから先も、彼の中では理屈が立っていて、数々の支出は正しい、それどころか必要、そう思っていたと私は思う。

 で、その理屈、たぶんこうだ。

 「俺の快適は、都民の快適。俺の成長は、都民の幸福」

 こういう理屈の上で、領収書をもらっていたから、どこでも、いつでも、こそこそでなく、堂々ともらっていたと思う。

 その集合体が一覧表と相成り、連日連夜、東京都民のみならず、日本国民に開陳されている。でもご本人には、正しいことの積み重ねでしかなく、一覧表が作られるなどとは思ってもいなかったろう。

 頭のいい人にしては、ぬかっている。もう少し慎重になってもよさそうなもので、不思議といえば不思議ではある。

迷いがなく、ぶれがない

 誰もがそう思うだろうから、マスコミ各社のみなさまも

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