勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
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2016年5月11日、旅行会社のHISが「HIS×東大美女図鑑」というキャンペーンを打ち出したところ、インターネットで苦情が殺到し、キャンペーンを中止したというニュースがありました。
このキャンペーンは、抽選で当選した人に対して、“東大美女”が隣に座ってフライトのお伴をするという企画だったとのこと。
キャンペーン広告の冒頭には「お隣いいですか?」というキャバクラを彷彿させるようなキャッチフレーズが踊っており、インターネット上でも「空飛ぶキャバクラ」などと揶揄されていました。中止になったのは当然のことと思います。
ですが、テレビやインターネットの意見を見てみると、この企画が中止になる理由をあまり理解していない人も目立ちました。
私も「とくダネ!」(フジテレビ系)にてこのニュースの解説をさせて頂いたのですが、小倉智昭キャスターも企画中止に対して疑問を呈しており、街の声のインタビュー映像でも、「利用してみたいねぇ」という声が取り上げられていました。
そこで今回は、「HIS×東大美女図鑑」の企画のどこに問題があったのかを細かく見て行きたいと思います。それとともに、女性や性に関連した企業の炎上事件の本質を理解できないことが今の時代、いかにリスクが高いかについて、さらには女性活躍推進が進まない現状との共通点について論述して行きます。
今回の企画の一番の問題は「美女」というコンセプトにあります。
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