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AV出演強要とドッキリレイプを根絶せよ(上)

AV業界にはびこる「ドッキリレイプ」という蛮行

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 AV出演強要問題が世間を騒がせています。弁護士や研究者等を中心に構成される国際人権NGOの「NPO法人ヒューマンライツ・ナウ(以下「HRN」)」がAVの出演強要を指摘した報告書がきっかけとなり、問題が明るみに出ました。

 報告書によると、若い女性が「タレントにならない?」「モデルにならない?」などとスカウトされ、その後、AVだと知って断ろうとすると「違約金」を要求して出演を強要されるという被害が相次いでいるとのことです。相談は約3年で72件寄せられているようで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまう人や、中には自殺までしてしまったという事例もあるとのこと。

 これに対して警察も動き出しました。実際に元AV女優が出演を強要されて100本以上に出演をさせられたと訴えたことで、大手プロダクション「マークスジャパン」の社長ら3人が逮捕されるというニュースも報じられています。

香西咲氏は週刊文春の取材に対して、以前の所属先であるマークスの社長を相手に刑事・民事の訴訟拡大AV女優の香西咲氏が以前の所属先事務所を告発した記事=週刊文春WEBより
 また、現役のAV女優の香西咲氏は週刊文春の取材に対して、以前の所属先であるマークスの社長を相手に刑事・民事の訴訟を考えていると述べたようです。

 それによると、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていたものの、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められたとのこと。

 他にも、実際に出演を強要されたと告白した元アナウンサーや読者モデルも出てきており、HRNの報告書を裏付けるような証言が相次いでいます。他の支援団体のもとにも続々と被害報告が届いているようで、上記のようなケースはおそらく氷山の一角でしょう。

 これに対して、政府も2016年6月2日、内閣府が民間団体から被害状況を聴くなどして、実態の把握につとめたいとする答弁書を閣議決定しました。

 一方で、業界のスポークスマン的な役割も果たしている、元AV女優で作家の川奈まり子氏が、AV業界の健全化を図るための団体を設立しました。AV出演者が所属事務所と交わす契約書の統一様式策定などを進めると表明しています。

「ドッキリレイプ」という犯罪がまかり通る業界

ドッキリレイプ拡大「ドッキリレイプ」のAV画像はネットにもあふれている(一部加工してあります)
 出演強要問題に関しては今後事態が改善される兆しが出てきていますが、日本のAVにはこの出演強要問題に限らず、様々な問題があると言われています。

 業界に詳しい方々からは「昔は酷かったが最近はマシになったと思う」という声を聞くのですが、色々と情報収集をしてみますと、やはりまだ人権侵害は無くなっていないように感じるのです。

 たとえば、「ドッキリレイプ」もその一つでしょう。

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

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