勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家
1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
人権侵害大国日本のAVに正しいメスを
前回に引き続き、AV出演強要とドッキリレイプの問題について見て行きたいと思います。前回は、とあるAV男優がドッキリレイプの実態を自ら吐露していた話を紹介し、AV女優が労働保険等で守られていない問題を指摘しました。
AV出演強要とドッキリレイプを根絶せよ(上)――AV業界にはびこる「ドッキリレイプ」という蛮行(WEBRONZA)
今回はそれらを踏まえた上で、今後どのような対策を行っていけば良いのかについて論じて行きます。
まず、違法な行為が繰り返し起こっている現状を踏まえると、警察等の「外部」が徹底的にメスを入れなければいけないと思うのです。
一方で「職業差別につながるから政治や警察が介入するのは反対だ」と言う人たちがいます。確かに職業差別は由々しき問題ですが、前回見てきたように、問題に真摯に向き合う姿勢が感じられない人の言い分ゆえに、そうした発言は自己欺瞞としか思えませんし、そのような人たちこそが様々な問題を蔓延(はびこ)らせている要因のように思うのです。
一刻も早く人権侵害を徹底的に根絶すると同時に、適切な法律の制定により、これ以上人権侵害が広がらないようにするべきでしょう。
ただし、その際、注意しておかなければならないのは、表面的な規制や“浄化作戦”では何も解決しないということです。
東京オリンピックの開催も近づいているため、警察が浄化に動いていると言われていますが、新たな人権侵害を生まないか注意する必要があると思います。
たとえば、性風俗店の話になりますが、風営法の改正により現在では店舗型の風俗店を新規に作ることは難しくなっており、いわゆる「デリバリーヘルス」の業態へと移行しています。
これにより、セックスワーカーはホテル等で接客をすることになりました。店舗ではトラブルを起こすような客に対してスタッフが目を光らせられていたことが、ホテルという密室空間になったことでセックスワーカーの
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